東日本大震災でも倒壊ゼロの実績 地震に強い 優れた耐震性能
SE構法では、構造躯体に「構造用集成材」を一貫して使用します。これは、乾燥させた後、強度別に分類した木材(ラミナ)を科学的基準に基づいて張り合わせたエンジニアリングウッドです。自然状態の木材に比べ、構造用集成材は含水率が低く、各部材の強度が明確に示されているため、使用部位の選定が確実に行えます。この一貫性と明確性が、SE構法の耐震性に優れた基礎を形成し、信頼性の高い建築を可能にします。
一般の在来木造工法では、柱と梁の接合に「ほぞ」という穴加工が用いられますが、これによる強度不足が問題となることがあります。特に細い柱では、必要な強度を確保することが難しく、大地震で接合部が破損するリスクが高まります。一方、SE構法では特殊金物により接合部の断面欠損を最小限に抑え、乾燥集成材の使用とボルトやドリフトピンによる強固な接合で、強度と耐震性を大幅に向上させます。このため、連続する強い揺れに対しても、優れた耐震性を発揮します。
大地震で最も脆弱なのが柱と基礎の接合部です。特に「熊本地震」で、強い揺れにより柱が基礎から引き抜かれる被害が多発しました。在来木造では、土台を介した柱の接合では金物での補強にも限界があり、引き抜きによる損傷リスクが高まります。対照的に、SE構法は特殊な「柱脚金物」により基礎と柱を直接連結し、引き抜き耐力を大幅に強化します。この方法は最大24.4トンの力に耐えることができ、従来の方法の5倍以上の強度を提供し、建物の耐震性を格段に向上させます。
SE構法の地震に対する強さの核心は、詳細な「構造計算」にあります。鉄骨や鉄筋コンクリート構造で一般的なこの計算法は、木造住宅ではまだ珍しいものです。SE構法では、専門の構造設計士が大規模災害を想定し、建物の各部材が耐えうる強度を数値で算出します。このプロセスにより、最高の耐震等級を目指し、設計の安全性が科学的に保証されます。一般の木造住宅設計が経験に頼るのに対し、SE構法は数値に基づく確かな安全性を提供します。
「構造計算」に基づく設計図の精密な実現は、使用される部材や加工の質に左右されます。SE構法では、計算に基づき指定された部材が、指定プレカット工場で正確に加工され、現場に直送されます。この高精度加工により、設計通りの性能を実現し、施工の精度も保証されます。また、資格を有する建築会社が施工し、厳格な現場検査を経て、最長20年の構造保証が提供されます。この一連の流れがSE構法の建物を信頼性の高いものにしています。
阪神淡路大震災後の震災報告書の指摘事項に応えて開発されたSE構法は、新潟県中越地震・福岡県西方沖地震・東北太平洋沖地震(東日本大震災)を経験し、熊本地震においても震源地付近にて大震災を経験しましたが、これらの地震に対して構造的な被害はなく、その高い安全性が実証されています。
SE構法は、柱と梁、そして最小限の耐力壁のみで構造を支え、耐震性を損なうことなく、壁の少ない開放的な空間設計を可能にします。この技術により、設計の自由度が大幅に向上し、より柔軟なプランニングが実現されます。
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